キャラクターが描きたくて
美術解剖学を専攻

美大出身で、大学生のときは油絵を専攻していました。もともと絵が好きで、人物を描くことに強い興味があったんです。学校ではレンブラントに代表されるような古典的なものを勉強していて、個人的な好みとしてはクリムトやミュシャに憧れていました。
大学4年時に、作家になるのか、それとも商業的な道で人に喜んでもらえるものをつくるのか、という選択肢で悩んで、後者にしようと決めて。じゃあどんな職業があるのか、と考えたときにキャラクターデザインをしたい、と。それならば人体を正確に描けるようになるのが先決だと考えて、大学院に進んで「美術解剖学」を学びました。一般の方にはあまり耳慣れないでしょうが、骨格や筋肉の構造や描き方を学ぶ学問です。

「チーム制作 × キャラデザイン」で
ゲーム業界へ

ゲーム会社を選んだのは、キャラクターデザインをするにはどういう業界があるのか、と考えた結果です。ゲームそのものはあまりやったことがありませんでした。ちょっとさわるくらい。ゲームをやりこんでいるような人でなくてもこの仕事は十分やっていけます。実は、初心者としての目線がかえって役に立つ場面も多いんですよ。
美大の学生には2タイプいると思います。一人でつくり込む人と、共同作業が向いている人と。わたしは後者で、チームでものをつくりたいタイプです。自分にはできないことをできる仲間がいて、相談しながら進めていくのが好きなんです。みんなでつくり上げた世界観の中で、それに合うキャラクターを産み出したいと思いました。ゲームならば描いた人物に演出や声をつけてもらえる。それも魅力でした。
大学1年生の学園祭で、法被制作のリーダーになったんですよ。それまで個人制作ばかりだったのが、作業分担を決めて、スケジュールを切って、会計担当もいて…と初めて組織でものづくりを経験して、単純に楽しかった。一人で黙々とやるより、みんなで進捗を報告しあって士気を上げてつくる、そういうのがいいなと思って。日々の作業の振り返りも一人だとおろそかになりがちですが、集団でやると実りあるものになります。
ドリコムはインターンで働いていた時に、他社とは違うアットホームな雰囲気があってそこに惹かれました。カフェで話し合ったり、机と机の間の仕切りがなかったり、みんなでものづくりしている感じが強くて、それが入社の決め手です。

入社1ヵ月で
人気版権タイトルのオリジナルイラストを手がける

Photoshopの使い方もよくわからない状態で入社したのに、1ヵ月も経たないうちに人気アニメ原作のゲームのキャラクターイラストを描くことになったんです。責任の重大さがわかってなかったのがかえってよかったと思います。新入社員なりに気合いを入れて描いたら、なんと原作者監修を一発で通ってしまった。後で聞くと一度でOKをいただくことって業界でも珍しいことだそうで、周囲からも驚かれましたし、後に表彰されることにもつながりました。当時の上司は「解剖学やってて筋肉の得意な子が入ったみたいだから、試しに描かせてみるか」くらいの軽い気持ちだったようですが。そんな感じでキャラクターやバナーを手がけながら、自然とスキルアップしてきました。
3年目の今は、チーム全体でいかに工数をかけずにイラストの品質を担保するのかという仕組み化の部分や、外注さんの管理も任されています。学生時代は「とことん手をかけていいものに」と考えていましたが、プロとしては効率も重要なので、クオリティと工数のバランスを調整するようになりました。
もし美術系の学生さんにアドバイスできるなら、「就活のポートフォリオにも遊び心を入れたらいいよ」と伝えたいです。エンターテインメント業界を目指すのであれば、真面目に作品を並べるだけじゃなくて、人を楽しませるようなお茶目さも大事。企業側としては人柄を見たいわけだから、そのほうが面接での話もはずんで、緊張せずにアピールできると思います。

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