Message 社長メッセージ
代表取締役社長 内藤 裕紀
1978年東京都生まれ。
京都大学在学中の2001年にドリコムを設立。ブログサービス事業で業績を大きく伸ばし、2006年に東証マザーズ上場を果たす。現在は、主に国内外に向けたゲーム事業を主軸に事業を展開。「with entertainment=人々の期待を超えること」を会社の存在意義として掲げ、競争力の高いサービスや、新規性の高いサービスを産み続けている。
どれだけ会社が大きくなろうと、常に会社の中で新しいサービス、新しい発明が産まれ続けるような会社にしたい
創業時から「with entertainment ~人々の期待を超える~」をミッションとして掲げ、人の期待を超えていくことを目指して新しいサービスの開発をしてきました。
僕らが「ものづくり」において大事にしているのは、新しいものを産み出し、人々をハッピーにし、ワクワクさせることです。
僕は創業前から元々「発明家になりたい」という思いがありました。ドリコム社内では、何か新しいものをつくる、昨日までなかったものを産み出す。あらゆる意味で「発明」というキーワードを使います。だから、ビジョンとしては「発明を産み続ける」掲げています。発明と呼ばれるようなサービスを1つ産んだら、あとはそれをずっと大きく育て続けていくような会社ではなく、僕らは常に新しいものを産み続けていきたい。どれだけ会社が大きくなろうと、常に会社の中で新しいサービス、新しい発明が産まれ続けるような会社にしたいという思いを持っています。
インターネットのサービスというのは、常に若い人から産まれてきます。ゲームに限らず、新しいものを産み出すチャレンジをしたい人にはぜひ来て欲しいと考えていますね。
自分たちでIPを作り、そのIPを育成していく
現在のドリコムの基幹事業は、モバイルゲームです。まだFacebookがPFのオープン化を発表したばかりの頃、早めに研究開発を初めていたことでソーシャルゲーム市場に早くから参入することができ、世の中全体もモバイルゲームが伸びていきました。モバイルゲームの主戦場がガラケーからスマホに移っても、大切なIPをお預かりした様々なゲームを開発し、ゲーム市場の中で戦ってきました。ただ、ここからは変化していく部分もあります。
国内モバイルゲーム市場の成長が一服してきている中で、ドリコムとしての成長を3年~5年スパンで見ると、グローバルでもっと海外に進出していくことと、自分たちでIPを作り、そのIPを育成していくことの必要性・重要性が高まっています。
エンターテインメントにおけるジャンルの垣根がなくなっている中で、ゲームにとどまらず、音楽やラノベ、漫画など複数のエンターテインメント分野の「デジタル化」に事業の軸足を拡大していこうと、今色々と動いている状況です。決算でもお伝えしている通り、新しいIPがすでに世に出始めています。
ゲームはもちろん中心に据え続けています。その上でマーケティング、コニュニティ醸成、収益機会などで新しい発明を模索し、様々な形でIPをプロデュースして育てる。
世界で戦えるエンターテインメントカンパニーとなることを目指していきます。
出社率10%以下を維持しても
業務効率が落ちなかった変化に柔軟な環境
ドリコムは創業から10年くらいはよく「学生サークルっぽい」と言われていました(笑)
今はさすがにある程度なくなってきたのかなと思っていますが、背景にそういったところがあるが故に、年功序列のように従来の企業らしい伝統や慣習みたいなものは薄いです。
物事をフラットに捉え、どうあるべきか、という出発点から色んなことを考えたり設計したりしてきました。制度などに対しても、疑問があれば議論をしていくような文化がある会社です。よく言えば、変化に対して柔軟な会社。悪く言えば伝統的な積み上げがあるわけではない、変化が激しいカルチャー。ここは表裏一体ですね(笑)
わかりやすいところでは、コロナ禍となって全社的にリモートにがっと振り切って、今はずっと出社率は10%でずっと推移しています。当初は心配もありましたが、業務効率は落ちませんでした。現場の皆さんは苦労もあったと思いますが、難なく10%以下の出社率でも業務がまわせてしまうあたりが、会社としての柔軟性のあらわれなのかなと。
上司の意見を重視するような伝統的な環境では、こういったリモート環境ではやりにくい部分がでてくると思います。ドリコムでは本質的なところを考えて、行動できている人たちが集まっているからこそなのかなと思いますね。「変化に挑戦する」がバリューの1つでもある通り、変化をポジティブに捉えながらどう実現できるかを皆が考えながら仕事をしてくれていた結果だと思います。そういう「変化に柔軟に」という空気感があることで、それが居心地がいいと思ってくれている人が残っているのもありますし、そういう人が活躍してくれているのがわかっているからこそ、採用でもそういった部分を重視していますね。
僕自身も相手の年齢とかは関係なかったりしますし、例えばメンバーの人から社内制度でおかしい部分があれば意見をもらい、実際に直したりする。フラットな関係性で捉えています。みんなからどう見えているかはわかりませんが(笑)
チャンスに対して「フラット」「フェア」に
また、会社の仕組みとして、チャンスに対して「フラット」「フェア」にというところは強く意識しています。カルチャーとして、チャンスに対して「フラット」に「フェア」にという部分を重視しています。誰にでもチャンスがある、というのとは違います。「結果」を出した人には「やりたい」ことへのチャンスの機会が巡ってきやすい。そういう意味でフェアな環境ではないかと思います。
エンターテインメントに対する思い、やりたい、好き、
愛みたいなところがすごく大事
学生の皆さんからは面接の中でよく、サークル、部活の経験、ゼミの研究の話、インターンでの実績の話をしていただきます。それらももちろん大事だとは思いますが、僕らはエンターテインメント産業にいるので、やはりエンターテインメントに対する思い、やりたい、好き、愛みたいなところがすごく大事です。面接でも、そういった形が曖昧な「好き」とか「愛」の気持ちを溢れんばかりに出してもらいたい。
僕らは今、様々なIPをお預かりしてコンテンツを作る中で、実際の事業においてもコンテンツに対する「愛」や「やりたい」を重視してアサインする仕事を決めていく形に変えていっているんですね。社内でも、昔はスキルセット前提でアサインするといったことも多かったんですが、結果として続かないことも多かった。僕らはエンターテインメント産業だからこそ、そういう「コンテンツに対する想い」の部分が重要だと考えています。
ただ一口にエンターテインメントといっても、幅広い分野があります。漫画は詳しいけど、ゲームはあまり知らないとか。音楽でも邦楽はめっちゃ聴くけど、洋楽は聴かないといったこともありますよね。我々は、そういった細かい部分を知りたいなと思います。
さらに言えば、その中でも何故これが好きで、かつこれだけ流行ったのか、みたいなところを因数分解したり、分析してみてほしい。世の中で起こっていることを、因数分解してみることを意識してみる。トレンド的に起きていることの点と点を結ぶことで、背景を導き出す力が重要ですね。
物事は点では起こっていません。共通する"大きな背景トレンド"を元に動いている。そういったものを分解して、客観的に見つけていく力がドリコムにおける「発明」には必要だと考えていますので、ある種の「情熱」を「ロジカル」に捉え直してみてほしいですね。
厳しい時期だからこそ、企業の柔軟性が見えてくる
コロナ禍にあって本来行きたかった業種、産業が採用を絞っているという厳しい側面もやはりあると思います。ただ、例えば、今まで地方の学生さんにとってビハインドだった物理的な距離の部分が、オンラインの就活が重視されることによってビハインドではなくなるという側面もある。
オンラインでの就活によって、A社の面接をした5分後にはB社の面接をしているといったこともできる。そういったことは、今まではできなかったですよね。社会全体で、そういったデジタル化が数年早まった。それによって、今までには生まれにくかった機会にもなっていると思います。
厳しい時期だからこそ、企業の柔軟性が見えてくるということもあります。社会全体がデジタル化していく中で、それに適応し、対応しているかどうかも見えやすくなっている。
ドリコムはリモートに関して柔軟に対応しており、現在は出社率は10%以下ぐらいで、コロナ禍が落ち着いたあとも柔軟に対応し、新しいオフィスは完全にフリーアドレスとなり、この時代にあわせたオフィスの形を模索しています。ある意味では、その分だけ変化が激しい会社とも言えますが、そういった環境を魅力に感じたり、こういう考え方の会社でなら何か面白いことができそうだ。そんな期待を持ってくれる方々とお会いできるのを楽しみにしています。
代表取締役社長 内藤 裕紀